とてもよい時代になりました。
ホームページをはじめ、さまざまなデザインが必要な制作物が無料、またはデザイナーに依頼することなくつくることができる時代です。
あらかじめ用意されたテンプレートに、写真やテキストを流し込めば、
一定の品質が保たれたチラシや名刺やホームページが手に入る時代です。
これから起業する方や、事業を軌道に乗せたい方には、ありがたいツールだと思います。
この投稿では、ホームページを無料でつくるためのHOW TOや、
ツールの使い方の話はいたしません。
無料でもつくれるものに、なぜお金が払われているのか。
デザイナー目線の、あらましのお話です。
AIの進歩やこれらのツールによって、わたしたちデザイナーやイラストレーターが職を失うかというと
そうではないと考えています。
これは「手作り」と謳うことの付加価値という意味でもありません。
わたしはよくホームページ(ウェブサイト)をスーツにたとえます。
「ホームページは会社の顔」「ホームページは24時間はたらく営業マン」などさまざまたとえられますが、
わたしは“身だしなみ”だと考えています。
結婚の申し出をするために挨拶に向かう時、就職活動の面接に向かう時、
少しでも自分のことを好意的に見てもらいたかったり、そもそも礼を尽くしたい相手と会う時に
普段から着古している部屋着で向かうことはしないと思います。
ホームページは、多くの場合、検索したか、もしくはリンクをクリックしてやってきてくれたユーザーと
はじめましての機会に対します。
身だしなみが整ってないと、結婚の申し出なら「ふざけた格好の奴との結婚は認めん!」と指摘が入るかもしれませんが、就職活動ならお祈りされるばかりで「せめてスーツがよければね」とアドバイスをいただけることはありません。
また通りを歩いていて「あなたの格好、見窄らしいからおよしなさい」と言ってくれる人はいないし、
自分も見ず知らずの人に指摘することはありませんよね。いるとすれば家族くらいだと思います。
そうやって整っていなければ、せっかくの出会いの中で、ネガティブな印象だけをユーザーに残して、
もしくは何も印象を残さずして、離れていってしまいます。
とても、もったいないことです。
上下セットアップで1万円のスーツも、オーダーメイドで何十万円もするスーツも、スーツには違いありません。着られたらOKという人も多いことは承知しております。
ただそのコストは自ずと佇まいとなって表れて、違って見えていることは事実だと感じております。
それはつまり、獲得したい信頼に応じたデザイン(スタイリング)が必要ということです。
時代やTPOなど、答えがひとつではなく、時折移ろうそれに、
わたしたちデザイナーは、お客さまに最適なものをご提案し、制作することが使命だと考えています。
「想いをカタチに」
多くのデザイナーが二言目には言ってしまう、ありふれたキャッチフレーズですが、
ご本人以上にそれが可能なのが、デザイナーなのではないかと考えているところです。