諏訪圏、上伊那でウェブサイト制作・ホームページ制作をしていると、ものづくり・製造業を担っている企業がたくさんあることから、(前職のおサラリーマンデザイナー時代を含め)実績として割合多くの制作させていただいております。
制作の過程ではほぼ必ず工場内を見学させていただくのですが、金属加工をされているところでは「旋盤だ!5軸加工だ!」と童心にかえった気持ちを抑えつつ、また、その他さまざまな機械とそれを操る人の技術を惚れ惚れとしながら拝見しています。
ウェブサイトでは、どのように情報を届けるか、会社の雰囲気を伝えるか。ということを考えるために見学させていただいているのですが、個人的な興味・関心と尊敬というのも大きい側面です。
思い起こせば、子どもの頃に見たテレビ番組『クイズ世界はSHOW by ショーバイ!!』のコーナーであった「何を作っているでしょうか?」は本当に興味深く、夢中で見ていたのを覚えています。
整然と並んだ機械は壮観で、同じリズムで動く様は可愛らしさすら感じました。
当時の興味が今の仕事につながっているところは大きいように思います。
子どもの頃の社会の教科書に出てきたような、最先端の工場の姿として紹介されるような、ロボットアームが動き、人がほとんどいない工場というのはいまだ出会っておらず、完全な全自動ではなくて、人が知識と経験からさまざまな調整を施して、機械を操っている後ろ姿を拝見できていることは、ありがたいことのように思います。ホームページの制作の過程で、そこで働いていらっしゃる方の生き様の一瞬を拝見できることは、この仕事をしている喜びのひとつであります。
そして、その工場のどれもがひとつとして同じではなくて、それぞれの企業の中で最適化されたつくりになっているというのが、面白みであり、WEBディレクターとして、多くのユーザーに見ていただきたい面です。
どうしてもウェブサイト・ホームページというと、見栄えのする写真とちょっとそれっぽいことを言ってそうなキャッチコピー、ひと昔前に流行ったような従業員の方が腕組みして並んでいるメインビジュアルのような”味付け”か、そうでなければテンプレート感丸出しのスタイルに、写真とテキストを入れ替えただけのデザイン、「品質と信頼」、「スピーディかつ低価格」など、何にもならないキャッチコピーが並ぶだけの”味気ない”ものになってしまっていて、寂しいところです。
長野県は中小企業の数が多いとききます。
それはつまり、それぞれ創業者が家族のため、従業員のため、地域のために事業を起こし「やってやるぞ!」と一念発起し大将を名乗り出て築かれた形であります。ビジネス上手という判断材料もありますが、仕事を出すところ、仕事をうけてくれるところ、一緒に働いてくれる人、さまざまに信頼され認められて成立している事業ということです。同じ業界、同じ業種、似た様な企業はあるかもしれませんが、ひとつとしてまったく同じ企業はありません。
露悪的に見せる必要はないと思いますが、誇大にキラキラさせたり、逆に卑下することもありません。ちょっと背伸びするくらいがよいと思いますが、すこぶる着飾る必要はありません。ただありのままの姿にアピールポイントは存在します。他社との差別化をあえて探すことをしなくても、企業の自然体の中に存在するものだと思っています。
その姿を好きと思ってくれるユーザーに「働きたい」と思っていただいたり「仕事をしてもらいたい」と思っていただけるのが理想です。
WEBディレクターは、ヒアリングと称している会話の中で、それを見つけ出すことが使命のひとつです。ときには発掘作業のように、丁寧に刷毛で砂を落としていくと姿が現れるものもあります。しかしながら、もしホームページ制作をお考えの企業さまは、銀行やコンサルタントや制作会社の人間だけでなく、ぜひ、長く勤められている方、最近入社された方、周りのご家族の方のお話を聞いていただければ、と思います。それらの会話の中に、どのようなウェブサイト・ホームページであるとよいかがぼんやりと浮かんでくるかもしれません。
よろしければ、そのあとでも、お話し相手のひとりに、わたしを加えていただけたら、幸甚に存じます。