制作会社はそれはもう「必要です!」というしかありませんが、
たとえば、金属加工をされている町工場や地元で家を建てている工務店さんと、ラーメン屋さんや定食屋さんでは、その必要さ具合が異なると考えています。
業種によって、ウェブ上の優先度は異なる。
前者であれば、もちろん開業と同時に必要でしょう。
固定電話と名刺さえあればよかった時代もあったかもしれませんが、今はそこにホームページが加わっていると考えています。ホームページがないだけで、存在を疑われる時代になったといっても過言ではありません。
そして、セオリーにのっとって、5年〜10年ごとにはリニューアルを検討し、時代ごと、事業活動の進捗にあわせた今の姿の情報発信があり方を考える必要があります。
また求人の安定化をなしたい、ということであれば、ハローワークやインディード、マイナビなどへの掲載とからめて施策を練り、ゆくゆくは外部サービスに依存することなく自社サイトで安定的な求人獲得ができるようにはからいます。
コーポレートサイトと呼ばれる、自社ホームページが必須な業種だと考えています。
ホームページよりもSNS(Instagram)?
かえって、飲食業におかれましては、まずは、Googleマイビジネスの充実。いわゆるMEO対策が先です。ランチやちょっとコーヒーを飲みたくなった際に、わざわざホームページを検索することはありません。マップを開いて検索したり、検索結果からマップを開いたりします。口コミや商品画像があれば尚よしですが、ユーザーにとって必要なのは、現在地からどれくらいの距離にあって、いま営業しているか、どれくらいの価格帯かがわかることです。これらの情報がないお店に事前に電話をかけて「やってる?」と尋ねる方は稀ですし、自分に置き換えてみてもおそらくやらないことは想像に難くないと思います。
もしくは、SNSです。飲食店とInstagramの相性がよいです。が、そもそも論として、Instagramユーザーが興味をもつような”映える写真”を撮れることが前提です。インスタ内では、テキストの地位は低くなっているので、自サービスの魅力を言葉ではなく写真で伝える術が必要になります。このあたりは、ヘアサロンやネイルサロン、スパなどの美容関連も顧客層と比較的若い女性のユーザー層が厚いInstagramとの親和性が高いと言えます。
人生最大の買い物や失敗したくない検討には、信頼感が不可欠。
しかしながら、たとえば、結婚を前提にお付き合いをされていて、その両家顔合わせのお食事の場であったり、お世話になった方の送迎会であったり、こういったハレの場や社交の場、その店選びによって何らかの評価を被るものだったなら、マップの情報だけで予約の電話をしないのではないでしょうか? もちろん口コミは確認するでしょうけれども、ホームページで「どんなコースがある?」「店内の雰囲気は? 広間の収容人数は?」「コースに融通は効くのか?」など、下調べするでしょう。
このような飲食店サイトと企業や事業がもつコーポレートサイトは、ほぼ同じ役割を担っています。つまり、ホームページはユーザーから最初の一歩を踏み込んでもらうための最低限の信用を得るために必要とされます。
認知は漸減する。信頼も漸減する。
路地裏にあり看板もない、知る人ぞ知る名店は『一見さんお断り』であることも多いですが、それは返せば紹介してくれる人がいるということです。お店を維持できるだけの常連客がいて、その常連客が一定数の新しい人を紹介してくれる。ほぼ閉じた輪の中でうまくサイクルが回る……多くの場合はそうではありません。特定のお得意先だけで仕事の受注が賄われることはあっても、働いてくれる人はそうはいきません。一人で彷徨っている方を手招きするために、まずは知ってもらわなければいけません。
広告などでユーザーとの接触機会が増えても、そこに何の情報もなければ(電話帳に載っている情報だけでは)比較検討のステージには上がれないのが実情です。
サラリーマンがビジネスにおもむく際、スーツを着るのと同じように、常に評価される因子のひとつにホームページがあります。商談にスーツで向かわない戦法もあるそうですが、まずはそのマナーの上にしか成り立たないものがあると考えています。
ただスーツを着ていればいいというものではなくて、ビジネスの場にホストクラブのようなスーツで出向くのは場違いですし、着古してくたびれた背広もよくありません。靴は磨かれていてほしいと思いますし、できれば、大きく時代を感じさせる(一昔前に流行った)スタイルは刷新しておきたいものです。
ホームページは身だしなみであり、おもてなしでもある。
そうした「見かけ/身だしなみ」を整えることと、商談の場にどんな資料を提示するか、その場でどんなプレゼンをするのか、そういったものがホームページには担わされています。
すべてはユーザーが判断するための材料をあらかじめ用意する、”おもてなし”のためにホームページは必要と考えています。