一口にSNSと言っても、LINEのように情報公開の範囲が閉じているものから、Xのように超短文ブログとして広く伝播するものまであります。次々にあたらしいSNSが登場しているので、すべては手を出せないけれど、何からはじめればいいのかわからない。また今アカウントをつくってみたけれどうまくいかない。
そういう方に向けて、X(旧:Twitter)歴15年の経験を踏まえて書きます。
主にX活用をおすすめしている記事です。
Xは広告ツールではないし、ホームページの代わりにもならない
SNSは「お金をかけずに広報が叶うツール」として、さまざまなところで喧伝されています。
が、そもそもはコミュニケーションをとるためのツールだということを忘れてしまっている方も多いところです。そうなると、何の効果も得られていないというのが現実でしょう。
理想的な運用は、会社のサポートデスクに電話したり、ホームページのメールフォームからお問い合わせしたり……そういった”ちょっと勇気のいる行動”にハードルを感じてしまうユーザーに対して、能動的に
「お困りごとはありませんか?」
「そのお悩み解決できるかもしれませんがいかがですか?」と拾いに動く運用方法です。
告知ポストや宣伝ポストばかりのアカウントは、せっかく興味が湧いてフォローしても、なんだかうざったくなって、フォローを外してしまうか、ミュートするか、目に入っても無視してしまいますよね。広告のよくない部分を対面でやってしまっているような気まずさがあります。
まずは、フォローしてくれる人がどういう人か。フォローしたい人はどういう人か。
という周りの人に興味をもち、アンテナを張るツールとして活用してみてください。
そして、XはテキストベースのSNSで、検索性が高いので、ホームページほどではないにせよ「情報を置く」ことができます。もし広報として利用するのであれば、細かいことはホームページに掲載するとして、Xのユーザーの目にとまりやすい。または検索しやすいポストに加工して、投稿ください。
やめよう!#企業公式フォロー祭り
公式アカウントの花形といって過言ではない、家電メーカーのシャープや文具メーカーのキングジムが、Twitter上で楽しげにやりとりしている様子を見た方は多いのではないでしょうか。
この2社だけでなく、地元企業同士や業界同士のあたたかい交流に憧れているSNS担当者の方も多いと思います。しかし、それは副次的なものであることを忘れてはいけません。
それら有名な”しゃべる”企業公式アカウントの主たる目的は、あまねくユーザー(顧客/将来的な顧客)対応の一環でよくしゃべるのであって、他企業アカウントとの交流もその副産物でしかありません。
見出しの通り企業公式フォロー祭りを開催されている企業公式アカウントも多いと思いますが、これは逆にかえすと、一般ユーザーをフォローする気がないと捉えれても仕方ありません。このように言語化されなくとも、どこかしら蚊帳の外に追いやられた印象を与えてしまいます。
一般ユーザーからのリプライや引用ポスト、いいねやフォローにリアクションしないのに、企業公式アカウントには対応する。となれば、自ずと好感度は下がってしまいます。そのないがしろにした一般ユーザーは、顧客になりえた企業の個人アカウントかもしれないし、将来就職してくれる求職者かもしれません。
まずは1日15ポストを
アルゴリズムは日々変化しているようですが、まずはポストの質よりは量です。
自社の開示できる情報はどんどんポストしていきましょう。
社食のメニューや敷地内に桜が咲いたとか、もちろん展示会に出展するなら、予告と現地レポートと報告ができます。またその業界に通じていることを示すためには技術的な内容、理念的な内容、現状の把握など。判断に迷ったなら、理想とするアカウントを見つけて、どのような内容をポストしているか、よく観察するのも近道です。
『きのこたけのこ抗争』のように必ず意見の割れる問題や公序良俗に関わるもの、各種ハラスメントを助長したり擁護したりする内容を避ければ、炎上することはまずありません。そもそも運用したては余程のことがない限り誰にも読まれません。ですから、まずはポスト量を維持できるように業務の中に組み込んでください。
業務として運用するなら、目標と指針を明文化しましょう
会社の代表者や経営者であれば、何をポストしてもその責任のもとですが、業務の一環として任された担当者の場合は、業務として成立するルールをあらかじめ決めておきましょう。
半年後のフォロワー数やSNS経由でのお問い合わせ数、求人応募数、イベント集客など、その効果判定が叶う目標の設定が必要です。
好感度向上などは、すぐさま数字で測ることは難しいですが、認知度は問い合わせ数やウェブサイトへの流入数から測れるかもしれません。そして、その職責において、できるだけ自由な(余程のクレームがない限り)誰からも口を出されない運用体制をつくってください。合義的なアカウント運用は、すぐさま機械的な自動返信botのような対応に陥ってしまい、運用している意味が失われてしまいます(ユーザーがフォローするに値する魅力を失ってしまいます)。
みなさまの前向きで明るいSNS運用を願いつつ、もし、迷ってしまったら、理想のアカウントにDMで相談したりして教えていただくのも一つの手。と書いて、終わりにしたいと思います。